初恋ディジー


由真ちゃんより先に口を開く裕樹さん。


その言葉に首を振る。


「デートだなんてそんな……ただ妹さんの誕生日プレゼントを選ぶだけです」


「だからそれがデートって言うんじゃん」


今度は由真ちゃんが言う。


「……そっか。麻有ちゃんもそういう相手が出来たのか。ずっと知ってる俺としては、何だか妹を取られる気分だなあ」


「本当にそんなんじゃないですから!ただの友達なんです」


「ただの友達ならそんなに顔真っ赤にしなくてもいいじゃない。榛名くんのこと、好きなクセに」


からかうように口角を釣り上げる由真ちゃんに、私はさらに顔を紅潮させた。


もう……やだ……

何ですぐに顔に出ちゃうんだろう。
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