初恋ディジー

気になる相手

「ナイスタイミングだ」


駅のホームに着くと、ちょうど電車がホームに入って来た。


電車のドアが開き、人が降りるのを待つがどうやらこの駅で降りる人は少なくてほとんどギュウギュウ。


「佐脇さん、満員電車平気？」


そんな電車の中の様子を窺いながら榛名くんが聞いてくる。


「あ、大丈夫……」


「じゃあ、乗ろう」


二人分ぐらい空いたスペースに乗り込むと、ドアが閉まって出発した。


ううっ……

思ったよりもキツイかも……


大丈夫と答えたものの、掴まるところがなくて電車が揺れるたびに自分の体も揺れ、上手くバランスが取れない。