初恋ディジー






「泣かれたら、離れられなくなるじゃん」


少し離れた場所に立っていた榛名くんが

ゆっくりと近づいてくる。



「……ほんっと、俺の決心鈍らせないでよ」


震えた声でそう言いながら指で私の涙を拭って。



「最後にワガママ言ってもいい? ……頼むから、他の誰のものにもならないで」





そのまま優しく唇が重なった。
< 322 / 393 >

この作品をシェア

pagetop