初恋ディジー

今にも泣きだしそうな彼女の顔を見つめながら、私はそう返す。


「本当に大事だから大切な存在だから言えなかった。私はそう思うよ?」


「……っ、アンタって本当にいい奴」


由香里ちゃんは涙を堪えながら、精いっぱいの笑顔を見せた。


「これ以上一緒に居たらまた泣かされそうだから、もう行く!」


え……泣かされるって……



「意地悪しちゃったお詫びに、最後にとっておきのプレゼントあげる」


そう言って制服のポケットから取りだしたのは、小さな箱。
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