初恋ディジー

「お前ら、何やってんだよ」


「えっ……あ、暁人っ?!」


ドアの前に立っていた榛名くんに、サァっと顔を青ざめる彼女たち。


「何やってんの?」


「これはえっと……暁人が甘いもの苦手だから代わりにあたし達が……」


「そんなこと頼んでねぇじゃん。これは明らかにイジメだろ!」


粉々になったクッキーを見て、鋭い瞳で彼女たちにその視線を移す。


「ごめんなさいっ」


彼女たちは逃げるように屋上から立ち去って行った。
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