初恋ディジー

「せっかく麻有ちゃんをこれから口説こうと思ってたのに」


えっ、口説くって……


「爽やかな榛名くんとチャラトラが親友なんて、本当に疑うわ。今からでも遅くないから、やめちゃいなよ!」


「チャラトラって……面白いこと言うね」


さくらちゃんがそう言うと、榛名くんはアハハッと苦笑。


――あ、アレ?


榛名くんの手元を見て、私は目を瞬かせる。


「そ……それってもしかして」


「ああ、これ?体育祭実行委員になったんだ」


私がファイルを指差すと、榛名くんがそれを自分の顔の横に持ち上げた。
< 65 / 393 >

この作品をシェア

pagetop