初恋ディジー

「何だ、違うのか。……つーか暁のやつ、今頃女子に囲まれてたりして」


ハハッと笑って崎本くんは教室のドアを開ける。


「ほら、やっぱり」


崎本くんが言った通り、先に来ていた榛名くんは女子に囲まれていた。


「最初は実行委員なんて最悪!って思ったけど、榛名くんが一緒ならラッキー」


「私も!」


彼を取り囲みながらそう言うのは、2年生の先輩方。


けれど、キャアキャアと盛り上がる彼女たちに、榛名くんは浮かない顔をしている。


――と、その時だった。


「あんたら、うるさいんだけど!」


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