初恋ディジー

初めての下校



―――――――…


「よかったねっ!4人とも同じに決まって」


委員会が終わり、教室に戻る途中で由香里ちゃんがそう言う。


「隣りのクラスの男子とジャンケンになった時は、負けるんじゃないかって内心焦ったよ、俺」


「負けるとか何言ってんの?今まで負けたことねーじゃん。俺なんてお前に一度も勝ったことないし」


「いざって時には弱ぇんだよ」


榛名くんの言葉にそう言った崎本くんは、両腕を頭に回した。


「どうしたの?さっきから静かだね」


筆記用具を抱えたまま黙っていると、それに気付いた榛名くんが私の肩を2回叩いた。

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