使命
―この想いが叶わないなんて、わかってるよ。

ぽつり、クロの呟いた言葉。

その言葉が妙に俺の頭に響いたのを覚えている。

そこで、俺達の部屋に光が差し込んだ。

 『クロ、出番だ』

主人の声と共に、主人の手がのびてきた。

その手はクロを掴み、外界へと連れ出していく。

光に照らされ、クロの体が映し出された。

なるほど、そのクロという名に相応しい、黒い肌をしていた。


―じゃあ、またね。真白。


そう言って、クロは使命を果たしに行った。


そして、『またね』と言ったクロは
戻ってはこなかった。
< 8 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop