そのタグを外すのは誰だ!?
処女と童貞
「本当にちっちゃかったわ。あの男」

 あゆこが窓際の席で頬杖をついて空を見上げた。
「もしかしてあゆちゃんが緩いとか?」
 あゆこの隣で向い合せに座っていたみさとゆっこがクスクスと笑った。

 私はその光景を見ながら、まったくもって自分に訪れないその時を思ってため息をついた。
「まさかなおちゃん、まだやったことないとか?」

 めざとくため息を聞きつけて近づいてきたあゆみに私は軽く唸り声をあげる。
「がるるる……」

「あら、あゆみちゃんたら大きな声でなおちゃんが処女だなんて!」
「あゆこの声がでかいわ!!」

 教室にいた男子も女子も一斉に私に視線を集めてるのを見て、みさが苦笑しながら「はいはい、見世物じゃないよー、金とるよー」と誤魔化した。
< 1 / 46 >

この作品をシェア

pagetop