Q.これはセクハラですか?A.いいえ、愛情表現です【BL】

言葉に合わせて見据えた益田の表情は、
断られたにも関わらず、
落ち込んでいるとか、
悲しむ様子は一切見せていない。


「どうしてですか?」

いつもと変わらぬ顔で、
理由を述べろとそうせかしてくる。

いいだろう。
それはちゃんと俺も用意してきている。
自分から尋ねてきてくれるなら、
冷静なようだし、好都合だ。


「まず俺は教師で、お前は生徒だからだ」

「他には?」

言い終えた途端、まず、と付けるからにはまだ続きがあるだろうと、聞かれるままに他の理由を出す。


「男だろう?俺もお前も」

「次は?」

「10歳以上離れてる」

「他にはありますか?」


間髪入れずに問われて、用意してきた答えを返す。

だけど個々に対する反応が何も無く、
面喰ってしまって、他の言葉を忘れてしまった。

他にもいくつか、考えていたはずなのに。


「……時間が無い、とか」

「とか……他は?」

詰まっている事に彼も気づいている筈だ。
それを踏まえて、俺を追い詰めてくる。

どうすればいい。
何て言えば諦めるんだ?

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