Q.これはセクハラですか?A.いいえ、愛情表現です【BL】
9.お酒の力は偉大か怖いか
週末、約束通りの時間に俺は先生の家にやってきた。
いつもよりは遅い時間だけれど、まだ夕日が赤々と空を染めている。
それなのに……。
「先生……酔ってますよね?」
まさか昼間から酒を飲んでいたとは思わなかった。
それも約束をしている日に。
「ぜんっぜん、平常運転だ」
「いや、明らかにお酒臭いです」
しかも先生はへらへらとした笑みを浮かべている。
「ま、ま、とにかく入れよ」
そしていつもとは違う態度で俺を室内へと招き入れた。
理由を聞くに、どうやら高校時代の友達と飲んでいたらしい。
前々からしたいなと思っていたけど全員の予定が合う日がなく、なのに急きょ行えるように決まったのが昨日、そして飲み会がよりによって今日。
元々短時間の予定だったし、少しなら酔う訳がない。
だから大丈夫だと参加した先生は、場に流されない訳がなく、楽しくなって控える事も忘れて飲んでいた、と。