Q.これはセクハラですか?A.いいえ、愛情表現です【BL】

目覚めて真っ先に思った事。

……頭痛ぇ。


次に思った事は。


……何で、こいつが隣にいる?

俺の横には、狭い布団の中に納まりきらずに、半分床にはみ出した増田が眠っていた。



「あ、おはようございます」

俺が起き上がると、すでに起きていたのか、増田がさわやかに笑いながら言った。


「何、なんでお前ここに居るんだ?」


そう言えば昨夜は同僚の先生方と飲みに行ったんだった。

その後に彼を家に呼んでいたから、飲みすぎないようにするつもりだったのに。
……やってしまったか。



「聞きたいですか?」


何かを含んだ物言いの彼は、近くの床をチラ見しながら答える。
その視線の先には…………俺の、服?

改めて自分の今の姿を見てみると、何故だか上半身には何も身に着けていなかった。
下は辛うじて身に付けてはいるが1枚だけ。


「酔っていたとはいえ、昨日の先生は……」


目を細めて言う益田。

まさか、と思い当たる事柄に背筋に寒気が走る。


「……嘘だろ?」

思わず漏れた呟きに、増田はにんまりと笑った。

「そう思ってても結構ですよ。俺は満足ですから」


その答えに固まった俺の表情を見て、彼はおかしそうに笑った。



「うそうそ、大丈夫ですよ。
それ、夜中に先生が暑いって自分で脱いだだけですよ」


何にもしてません、と彼は言う。


……確かに。
普段と違うのは頭が痛い事位で。

それは間違いなく酒の所為だろう。


けれど、それにしては嬉しそうな彼の顔に、俺は不安を捨てきれなかった。
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