大地くんの天気予報


「…もしもし、大地?」


『おう、優雨。俺だけど…』


「うん。…どしたの?」


『あのさぁ、あさっての日曜なんだけど…、天気予報、雨って言ってない?』


「…あぁ、…うん。それは、私もちょっと心配してたんだけど…」


『うん…。それでさぁ…、遊園地は中止にして、ちょっと別のところ行かないか…?』


「…別のところ?」


『うん…。実はさあ、鈴木清風、…アイツの発表会があるんだってさ、日曜日』


「…発表会って、日本舞踊の?」


『そう。…今日の帰りに、たまたま陽太郎と清風に会ってさ。…で、その話聞いて、陽太郎が一緒に見に行かないか、って…。だから、お前も行かない?』


「……」


『…ほら、どっちみち雨かもしんないし…。雨の日に遊園地行っても、楽しくないだろ?』


「…うん、まぁ…」


『なら、ちょうどいいっしょ。…優雨も、見てみたくない?日本舞踊ってヤツ』


「…そりゃあまぁ、見てみたいけど…」


『…よし、なら、決定な!えっと、時間は……―――』




一緒に出かけられるだけでも嬉しいから、それはそれで、別に構わない。


でも大地、なんかちょっと、楽しそうに話してたな…。


またもや、清風くんの話題で…。


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