大地くんの天気予報


「相変わらずだねぇ、美術室は…」


誰もいない美術室を見回して、適当にカバンを投げ出すと、ヒカリは言った。


「ユウ、毎日一人でこんなところで悶々と過ごしてて、ウツにならない?」


「うん…、なるよ、けっこう」


私がそう答えると、ヒカリはハハッと笑いながら言った。


「特にユウは、一人であれこれいろいろと考えちゃうタイプだからねぇ…」


そんなヒカリに苦笑いを向けながら、今日はなんとなく誰かに話を聞いてもらいたい気分だった私は、ヒカリがいてくれることに内心感謝していた…。


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