各駅停車 ~あなたに会いたくて~【短編】
やがて列車は、一つ目の駅で停車した。


急行なら止まらずに、通り過ぎてしまう小さな駅。



ドアがさっと開く。


列車に乗り込んできた人は、三人しかいない。



一人目はОL風の女の人、二人目はメガネをかけたおじいさん、そして三人目は、あたしと同じくらいの年頃の高校生の男の子・・・。




三人は次々に空いている席に座っていく。


男の子があたしのななめ向かいの席に座った。



再び、列車のドアが閉まり、ゆっくりと動き出す。




あたしはちらりと男の子の方を見た。


見たことのない制服を着ている。


あたしの高校とは違う制服だ。


やや細身のすらりとした体系に、色白の肌。ちょっぴり、きれいな印象の男の子・・・。


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