痛いくらいの好きを君に。

『千尋………』

「ん?」

『重いからどいて…』

「そんな重くないしー」

『そうゆう問題じゃなくて…』



そう言って起き上がろうとした時、私の部屋のドアが開いた。

私達は同時にドアの方に顔を向ける。



「奈子ー、朝ごはんが出来たってー……」



ドアから顔を覗かせたのは、私の兄の東城雪人(トウジョウユキト)。

雪人は私達を見るなり、廊下に向けて声を出す。



「ちかー……、今すぐケータイ持って奈子の部屋に来てー」

「おーよ」



と、廊下から即座に返答が帰ってきた。

雪人の次に顔を出したのは、私の一番上の兄、東城央志(トウジョウチカシ)。

央志は雪人の言った通り、ケータイ片手に私の部屋へやって来た。

そして…。



「どうしたんだよ、雪……人…」



ΣΣ――――…ピロリロリーン…



私達の体勢を見た央志は、握っていたケータイをカメラモードに切り替え、素早くシャッターを押した。
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