KIRINの恋
第4章
貧血を起こしそうだ。

目の前にいるのは、あの松田悟だった。

昨日一緒に食事をし、次のデートの約束まで取り付けたあの松田悟だった。

「わあ。噂に違わずイケメンですね~。まどかさん」

美奈と同様に周りの女子社員も松田の容姿に色めきだっている。

すごい人気。

私が知り合いなんてばれたらえらいことになりそう。

ただでさえ派遣とうい立場で肩身が狭い思いをしている。

ここでエリートの松田と知り合いなんてことが知れたら、もうここにはいられないかもしれない。

松田は自分に気づいているのだろうか。

気になったまどかはちらっと松田の方を見た。

すると思いがけず目が合った。

やばっ

しかし松田の方は特に驚いた様子もなく、にこやかにまどかに向かってほほ笑んだ。

まるでまどかの反応を楽しむかのように。



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