KIRINの恋
第7章
それからというもの、松田は約束通り、まどかに対して必要以上に話しかけることがなくなった。

もともと、仕事上でも会話することはほとんどないため、つまりはまったく話さないということだった。 

まどか自身が望んでいたことだ。

これで元の生活に戻った。

そう思おうとしてもどこかであの日のことが引っかかっていた。

私が何か言えば違っていたのかな。

違う未来になっていたかな。

「まどかさん?まどかさーん」

ぼーっとしていたまどかに隣から声がかかった。

「えっあ、何?ごめん聞いてなかった」

「どうしたんですか~?寝不足ですか?」

美奈が心配そうに聞いてきた。

「うん、ちょっとね。それよりどうしたの?何かあった?」

「社内メールですよ~見ました?」

「あーまだ見てない。何?」

まどかは美奈のパソコンをのぞきこんだ。









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