君を魅たい愛したい
プロローグ



あるところに、誰もが羨む容姿、一級品の美貌を持つ女の子がいました。




けど、彼女は言いました。




『こんなの失敗作だよ…』




パッチリ二重の作り物のように整った顔立ち。

透き通るような真っ白な肌に弾力のある唇。



自他共に認める絶世の美女。


産まれた時から、だった。



そして…―



成長とともにその姿はよりいっそう輝き


誰もが彼女には敵わないと悟った。




小さい頃から人とのコミュニケーションが苦手だった。

綺麗すぎるがゆえに近寄りがたく、周りが外で走り回ってるなか少女はいつもその光景を遠くから眺めているだけ。



自分もあんなかに混ざりたい。


そう強く思うだけで、実際には輪の中に入っていくことが出来なかった。



小学三年の夏休み明けに転校生がやってきた。



――――女の子…



でも、きっとその女の子もあっちの輪の中に入っていくのだと思った。




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