君が好き。

「佐山‥っ!!」

葉山君は後ろから追いかけてくる。

門まで行くと、人影が見えた
‥先輩?

「‥っ先輩!!」

「優美ちゃん‥?」

先輩は泣いてるあたしを見て
驚いているようだったけど、

あたしを優しく抱きしめてくれた。

「どうした‥?」

あたしは、首を横に振ることしか出来ない。

「佐山っ‥!!あ‥先輩‥」

「優美ちゃんに何したわけ‥?」
聞いたことの無いような先輩の低い声。

「別に何も‥ねぇ?優美ちゃん。」

ゾクッ。名前を呼ばれたことに寒気がする。

「優美ちゃん本当‥?」
いつもの優しい声。

何も‥言えない。怖いよ‥

あたしはただ、震えるだけ。

「ほら‥何もないですよ?
じゃあ、俺はこれで‥
佐山‥また明日ね。」

葉山君は去っていったけど
震えが止まらない。

「もう‥大丈夫だよ‥」

頭を優しく撫でてくれる。

でもあたしは、葉山君にキスされた‥

「先輩っ‥っごめんなさい‥」

「何が‥あったの?」

あたしは、首を振るだけ。

言えない‥
言ったら、嫌われちゃうかも‥

「大丈夫だから‥話して?
俺を信用して‥ゆっくりでいいから」

話して、嫌われたらしょうがない‥

もう‥言うしかないんだ。
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