ROSE~AI (ノンフィクション

「お前、何て答えようとした?」

重い空気の中、祐樹が口を開いた。


アタシは思わず俯く。

「・・・わからない」

嘘だ・・・

本当は答えなんか決まってた。


ガンッ!!


高貴が無言のまま、
握りしめた拳をベンチに向かって打ちつける。


鈍い音が響くだけ。


皆何も言わない。


白井に酷いめにあわされたばっかりだ。

皆出来れば関わりあいになりたくないのが正直な所だろう。


どうしていいのか分からなくなっているんだ。


それはアタシも同じ。


だけど・・・・


守りたかった。


どうにかしてでも、


例えば・・・・


どんなに辛い事が、この先に待ち受けていてもだ




「今日はもう帰ろう」

長い沈黙の中、祐樹が重い腰を上げた。


「梅沢・・お前らそのまま俺ん家来いよ。」


「あぁ・・・」


そう返事を返し、立ち上がる二人に視線をうつす。


白井の仲間だった奴ら。


もう切り捨てられたんだろうか?


傷だらけの顔でこちらを振り向く。


「・・・・・」

自分でも険しい顔をしてしまっているのが分かる


そんなアタシに申し訳なさそうに梅沢とゆう男が言った。


「ごめんね・・・」



「・・・・・」


何も、
答える事が出来なかった


正直。


切羽詰まってる。


こんなに頭が混乱してるのは初めてだった。





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