ROSE~AI (ノンフィクション
バランスが崩れて、高貴の胸に顔が埋もれてしまう。

ちょ・・・

「ちょっと・・!」

両手でグイッと体を引き離した時、


ひどく切ない表情の、高貴がアタシを見下ろしてた・・・・


「守って、やりてぇのに・・・・・・・」

まるで自分自身に苛立っているかの様に
苦しそうな声で、伏し目がちに呟く。


「・・・・・」

アタシの視線の先、漆黒の瞳が揺れてる。


この瞳を揺るがしているのは・・・・


「愛美・・・」

切ない声でアタシを呼ぶ

「・・・・っあ、」

アタシは慌てて背を向けた


「あ、ありがと。じゃあね・・・・」


カツン カツン カツン



マンションの階段を駆け上がる。



ドキドキ
ドキドキ


心臓がうるさい。


「おいっ!」


呼び止める声も、無視してアタシはマンションの中に駆け込んだ。



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