ROSE~AI (ノンフィクション


「那智・・・・」


那智のその言葉に、どうしようもない位胸が苦しくなる。


「・・・行くなよ・・」

「・・・・・・」

涙目になったアタシに追い撃ちをかける。


「・・・・・」

「・・・・・」


そして、ぐっと体を引き寄せて・・・


那智の大きな体で、アタシを包んだ。


「お願い・・・」

「・・・・・・」

さらにキツク、強く抱きしめられて


温かくて

愛しくて・・・

こんな時に、


那智が好きだと・・・


体中で感じた。


「・・・・那智・・・」


アタシは、そのまま動けなくなりそうで

そっとその腕を・・・

ほどく・・・・




白井が危ないんだ!!



山崎の言葉が、頭を過ぎったから・・・・


「・・・・・」

黙ってアタシを見つめる那智を見上げる。


「・・・・・・」

ポケットから、ラッピングされた小さな小箱を差し出した。


「・・・・・」

「・・・・ごめんね」


那智の手に、それを無理矢理握らせると


そう呟いて、駆け出す。


梅沢の元へ


そして白井の元へ・・・






< 299 / 366 >

この作品をシェア

pagetop