サグラダ・ファミリア
「そんなことよりケイ、
 この人形小さくならない?」
シンがクイナに倣って、
白髪を普通に愛称で呼んだ。
「えっ?!今俺のこと?!」
「ソフィスティケイテッドって長くて呼び辛いから、
 クイナが呼んでるのに倣ったんだけど、駄目?」
「駄目じゃないけど、なんか友達っぽいじゃんね、
 どうなの」
白髪は照れて妙な顔をしているが、
シンは至って普通の様子で、木の人形を見つめている。
「どうもしないよ、ねぇ、
 ケイならできるでしょ、
 狐の首輪にぶら下げておけるぐらいのサイズに、
 これ縮めてくれない?
 そうしたら便利だと思うんだ、
 いざとなったら、
 人型になって力をふるってもらえるように」
「・・・んんん、それは難しいなぁ、俺でも、ちょっと・・・」
「できないの?」
「でっ、でき・・・できない、ね」
「そっかぁ、残念」
「・・・その代わりずっと出しっぱなしで、
 いつでも兄ぃが入れるようにしとくけど」
「ホント?!助かるよ!!」
上手く転がされている・・・。
白髪は首を捻って、どうしてこうなったのかという顔。
シンは私が、二人の様子を伺っているのに気づいて、
笑いかけて来た。笑い返す。
クイナが私に向けられたシンの笑みに反応し、
シンの頭を上機嫌にナデナデし始めた。
シンは少しむっとした顔をしたが、抵抗はしなかった。
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