サグラダ・ファミリア
これはドッキリなの?
ドッキリじゃないの?
私は日本に帰れるの?
ちゃんと役目を果たせるの?
前世がオッサンなんて嫌!

変わりやすい私。
心ほど信用のできない器官はない。

夕子は涙を流して、
私を抱きしめた。

「帰ろう、一緒に、帰ろうね・・・。
 私はいつだって、
 貴方と一緒になる覚悟があるよ、
 どっちがどっちの意識を、
 奪っても恨みっこなし、
 ・・・貴方だけ戻れないなんてこと、
 絶対ないから、一緒に帰ろう」


私、超良いコじゃね?


「ありがとう・・・、夕子・・・。
 ちょっと気弱なこと言っちゃったけど、
 私達なら、できるよね、
 一緒に帰るために、
 お役目・・・、頑張ろう」

不思議と、覚悟だけは、
変わらずに心に残っていた。
どうでも良いと思ったことは、
どうでも良くなくなったけど、

どうにでもなる。


という気持ちはまだあった。

頑張れる。
きっとやれる。



「ゆうこさんは、強いね」


夕子は意外にも、浮かない顔で応じた。
夕子が私なら、きっと私と同じ思考で、
強気に出ると思ったから、驚いた。


「私は、今すぐ帰りたいよ」
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