サグラダ・ファミリア
「お嬢さん、
 なかなか良いタマしてんなァ!
 ・・・、アイわかりました、手ぇ出しません、
 って言いたい所だが・・・!
 こっちだって命は惜しいゼぇ?
 なァお嬢さん、
 あの御稲荷さんの気ィ鎮めてくれや、
 でなきゃ滝で応戦するまでだァ」

落ち着きを取り戻しながら、
しかしまだ、愉快そうな龍さんの頬に、
無数の鱗が見えた。

ああ、この人、・・・龍だ。


とても、強い人だ。


生霊になってからの、私の感性は鋭い。
狐よりも上の、力の匂い。
狐を説得しなきゃ。

『狐・・・!』

反応なし。

「ソフィスティケイテッド!
 通信をさせてやれ」

龍さんが、白髪に声を掛けた。

「え?」

「このお嬢さん、
 御稲荷さんを説得してくれるってよォ」

「・・・ええ?!そんな、なんでまた?!」

「いいから結界を解けっていうのサ、
 四の五の言わずに、ホレ」

次の瞬間、耳に沢山の破裂音。
車の窓という窓が割れた。

『狐・・・!』
『ゆーこ!』

狐の声に、安心する。
< 62 / 202 >

この作品をシェア

pagetop