郵便屋さん。
 



そんな俺を見ていた郵便屋の親父は

ある日、俺に仕事を手伝わせた。



『お前はもともと優しい奴だ。
優しくない郵便屋さんなんて
いないんだからな。』




知ってるよ、それくらい。

小さい頃は
親父みたいになりたかったんだから。



しかも絶対、



「俺、親父より優しいよ」


『うるさい。あ。
無免許はダメだぞ、お前は自転車だ』




と、俺は地味に自転車で
郵便屋のバイトを始めたのだった。




< 106 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop