王子様と秘密ごと




3階の端っこにあるこの教室の窓からはグラウンドがよく見える。

お昼休みって言うのに生徒が体操服を着て大縄やバトンパスにふけって…、あれ。



「波岡くん…!」

「何うるさい」


「あれって体育祭の練習なんじゃ…」

まず体操服に着替えている時点でそうだ。

そういえば今日のホームルームで今日から練習始まるって言ってたような…。


今日の昼休みは亜美ちゃんと比奈に事情を説明しようとしたのに自己中心的イチゴオレ男に無理やり引きずられた。

そしてここにつれ来られたのだけれども…。




お昼食べ終わったら集合って学級委員が行ってたのってこのことなの?

てっきり部活の人の話かと思ってたのに…。



「んー。っぽいな」

「ぽいな。…じゃなくて!
 練習行きたいんだけど!」


人より運動ができない私。

それは度が超えている。


双子の兄がいるのだけど、運動神経とか頭の良さとか容姿の良さとか。

ほぼ全てが兄に吸収されている気がするのだ、お母さんのおなかの中で。


きっとお腹の中にいるとき栄養は全て兄に蓄えられたんだ。

そう、そうなの。…きっと。



まあそれはどうでもよくて運動できない私にとって体育祭は地獄。

だからみんなの足を引っ張らないように早めに練習を始めたいのに…。




「え、やだ」

…この人が許してくれない。




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