SEVEN WINGS

『もうここには戻れない』

「開けて!」
 ドアを強く叩きつけながら叫ぶ、ティアの声が聞こえる。
「開けないと、このドア壊すよ」
 悪魔の声が聞こえ、眠っていた脳を無理矢理覚醒し、急いでドアを開ける。
「なに!? 何か用なの?」
 すると目の前には、すご〜く機嫌の悪いティアが。
「何か用って、のんきに寝てたフォル君を、私の遊び相手にするために、わざわざ起こしてあげたんだけど?」
「そんな理由ならもう一度寝る」
 僕は目を擦りながら、ドアを閉めようとする。そしたらティアは、ドアを掴み、微笑む。目が……笑ってない。正直、すごく怖い。
「冗談、夕食だよ。そのときに、さっきのことも話してもらうからね」
 その貼り付けた笑顔で言われると断れない。僕は渋々ついて行く。
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