SEVEN WINGS
2章『隣街、フォート』

『主人公は最弱?』

「たあ」
 ビラージュ村から出て10分ほど、早速、悪魔の群れに遭遇した。ティアが戦い始めたので、僕は『スライム』に剣を降り下ろす。そしたら、スライムは剣に巻き付いてきた。
「うわぁ。気持ち悪い」
 どんどん巻き付いてくるので、振り回して、振り落とそうしているうちに手まで。
「ちょっ……ティア! た、助けて」
 そう叫ぶが、ティアは何十体も相手にしていて、僕の相手をする暇もない。
 その間にも、体に巻き付くる。抜け出そうと体を動かすけど、余計に巻き付いて取れない。
 そしてとうとう、動くことも出来なくなり、すでに顔の半分まできてしまった。
 だけどティアの方を見ると、周りには大量の悪魔が倒れている。もう、済んだようだった。どうにか、「助けて」と声をかけるが、完全無視。もう死ぬと諦め、目を閉じた。
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