王子と秘密の甘い時間。

文化祭



文化祭当日――…。


「ねーねー、佐野ちゃん、」

「なに?雪ちゃん。」


私は雪ちゃんと校内をパトロールしてた。


「昨日、なんでドタキャンなんか……、」


ぶぅっと頬を膨らませる雪ちゃんに、私はクスクスと笑ってしまった。


「ぁ、笑ったね?」


少し睨むようにして私を見る。


「ごめんごめん。昨日は……、」

「あいつと会ってたの?」


雪ちゃんの表情が、
いつになく真剣になる。


「……ぇ、」

「あいつと、過ごしたの?」


雪ちゃんは私に詰め寄る。


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