金髪少女と憂鬱
「栗栖。」


低く、今日ついさっき初めて聞いた、実の父親の声


「サーシャ―お母さんは??」


なんだろう・・・
胸に重りが押し付けられような感覚のせいで、上手く喋る事が出来ない


「栗栖。」


私は男の人が苦手だ
人見知り、というのだろうか
だから、実の父親にもこんなになってしまうのだ


「えっと、先に家に、行ってると、行ってまし、た」


ヤバい・・・
思いきり、変な日本語になってた・・・


「そうか」


それだけ。
それだけで父親は口を結び直した


やっぱり、男の人は苦手だなあ・・・


「・・・」
気まずい沈黙が場を支配する


「もう少しだ」
「はっい」


何今の!!「はっい」って!!
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