ぞうもつや
いじめの被害者
そんな時クラスで彼女に会った。
当たり前のように、母親に愛されて・・・
手作りのお弁当や、親子でメールのやり取り
すべてがうらやましくて・・・
それがいつしか憎しみに変わっていった。
ある日私がいつものようにパンを買って
学校で食べていると、
「いつもパンを買えて。いいなぁ。私なんか毎日お弁当で好きなもの
食べられないんだもん。うらやましい。」
私の中で何かがはじけた。
愛されていることに気が付いていないんだって。
その日のうちにクラスの子たちにメールを出した。
「まじウザイ」って。
そうしたら、みんなが寄ってたかって
いじめるようになった。ほかの子たちは
誰でも良かったんだと思う。
「ただみんなでいじめてることが気持ちよくて
やっていたんだと思う。
いじめればいじめるほど、罪悪感でいっぱいで・・・
でもいじめていないと一人になってしまう。
自分のつらい気持ちを彼女にぶつけて
両親の前で、いい子な自分を保つのに精一杯だった。
だから、お母さんお願い。私を殺してください。
妹に移植もできない私を殺してください・・・
お願いします・・・」
引き出しから果物ナイフをだして彼女は自分を刺そうとした
そのとき母親がナイフを奪い取って自分を刺した。
「ごめんね、お母さん最低だったね。お姉ちゃんの気持ちも
考えないで・・・本当にごめんね・・・」

お母さんが謝った。看護婦さんやお医者さんが来て母親を
運んでいった。父親が私に土下座して謝った。いじめていた姉は
放心状態で、父親に抱きかかえられるようにして
部屋を出て行った。

自分ではなんとも思っていない一言で
人いじめられていた私がいじめる側にまわった。
いじめているほうの気持ちがはじめてわかった。
後悔だけがのこり、しかも人を殺してしまったかもしれない。
「私って最低だ・・・」
涙がとまらなかった。すべてを見ていたぞうもつやさんが
私を抱きしめてくれた。とても暖かくて力強い腕の力がとてもうれしかった。
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