ぞうもつや
長い一日
ぞうもつやさんの、ケイタイがなった。看護婦さんからだった。
「刺されたお母さん、意識が回復しましたよ。」
「お母さん回復されたって。」
「よかった・・・電話変わることできますか?」
「ご家族になら変われますが・・・どうしますか?」
「お願いします。」
娘に代わった。
「もしもし・・・」
「今まで自分は悪くないのにどうしてってずうっと思ってた。
知らず知らずのうちに傷つけてしまって・・・
お母さんまで・・・本当にごめんなさい。移植は予定どうりします。
お母さんにもお父さんにも伝えてください。」
そう告げると
「私こそひどいことばかりしてごめんなさい。
謝ることしかできないけど、あなたのおかげで自分の気持ちを母に言えてよかった。」
「今だったら親友になれそうだね!」
「本当に!」
「じゃあ明日。」
「本当にありがとう」
電話をきった。すごく晴れ晴れとしたいい気持ちだった。
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