私と彼の歩く道


ただ、ドキドキしているのは、きっと私だけだと思う。


だって、郁斗はここが見つからないか、表を見ているだけだから。



「何とか逃げ切れたかもな」


小さなため息をついて、郁斗は私を離した。


「ごめんな香織。巻き込んで…」



「ううん。気にしないで」


元はといえば、首を突っ込んだのは私。


バチが当たったんだわ。



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