記憶のパズル
突っ掛けのサンダルを履いて玄関のドアを開ける。




「どちら様ですかー?」




サンダルがうまく履けずに下を向いたままドアを開けてしまった。


そのため、顔が見えない。




「若葉君」


「え…?」




その声に聞き覚えがあった。


中学の頃、聞いた声。


ゆっくりと顔を上げると、そこにいたのは───




「岡崎……」



中学の同級生。

岡崎早苗(おかざきさなえ)。



俺の中学1年のときの彼女。



元カノだ。
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