記憶のパズル

校門に入ったとき、拓也が話しかけてきた。



「熱、大丈夫か？」



「うん」



「本当は見舞いに行こうとしてたんだぜ？」


あれ？
竜介にしては、そんなこと言うなんて珍しい。


拓也も同じことを思っているのか、竜介の方を見て目を見開いている。



「な、なんだ、その目は。そんなに珍しい事なのか？」



「うん」



拓也と私の声がシンクロする。


竜介はガクッと肩を落とした。

その間に靴から上履きに履き替える。


私達が竜介をほっといて教室に行こうとすれば竜介は復活したらしく、「これからは心の広いやつになるんじゃーっ！」と言っていたが、ほっといた(竜介が変な目で見られていたため)。



私達は教室へ。


ドアを開ければ、何人かで一緒に話していたりする生徒が。



「あ、椎ちゃん。おはよー」


「おはよ」


由依に挨拶を返す。