記憶のパズル
そう思いながら新座駅のロータリーまで歩く。



……さて、これからどうするか…。



今、陽がどこにいるかなんて知っているわけがない。

まず、ここと陽はどんな関係…(人間じゃないけど)。



ああ…もっと考えてから来るべきだった…。




「……椎……?」


「……」




駅前にある交番前でこれからどうするかを考えてたら、後ろから私の名前を呼ぶ声が聞こえた。


振り向けば、知らない女の人が1人、驚いた様子でこちらを見てつったっている。


誰?



記憶をなくしてからこちらに来たことのない私にはこの女の人の名前なんて知っているはずがない。



「やっぱり…!でもどうして…?」



いや、まずはあなたが誰かをお教えください。



「ちょっと待ってて」



そう言って女の人はどこかに電話をかけ始めた。
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