欲望チェリ-止まらない心
禁断の扉へと…
―――翌日










俺が教室の机で突っ伏していると聖がやってきた。


探していた時には話したくても話せなかったのに…


聖からわざわざ来るなんて今日は雪でも降るかな。


「紅、悪いけどこれ頼める?」


「ん?」


聖は俺にスピーチ用の原稿用紙を渡した。


原案を考えろってことだよな。


「いいよ。やっておく」


「いつもありがと。助かるよ」


聖は白い歯を見せて微笑むと、空いていた俺の隣の席に腰掛けた。


いつもと同じ整ったその顔は、どこか疲れて見える。


「お前、忙し過ぎ。何でも引き受けすぎなんだよ」


「え?なに急に。そうかな?」


聖はあははと笑う。





「橘とは…ちゃんと会ってんの?」


「え?三咲?うん、まぁ会ってはいないけど連絡はしてるよ」




教室の窓の外では蝉が鳴き始めている。


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