欲望チェリ-止まらない心
聖 vs 紅
その数日後





今日は全学年による球技大会だった。


わが校の秋の三大行事と言えば球技大会、文化祭、そして体育祭。


あたしのクラスの参加種目はサッカーだった。


まだ暑さの残るグラウンドで、円陣を組むクラスメイト。


気合いだけは充分で、クラスの男子も応援してくれた。



しかし――…

結果は、初戦敗退。



敗者復活でも負けて、お昼には暇になってしまった。








そしてランチタイム


「午後は藤ヶ崎先輩の応援に行かない?」


体操服のまま教室でお弁当を食べながら、優子ちゃんが言う。


「藤ヶ崎先輩なら絶対勝ち残ってるんじゃない?」


「あ~確かに。藤ヶ崎先輩は、なにに出てるの?」


優子ちゃんの言葉に亜季ちゃんも頷く。


「確かバスケだったよ」


「きゃっ、バスケかぁ~!」


すっかりひー君ファンになっている優子ちゃんのテンションが上がる。


「なんで三咲ちゃんよりあんたが興奮してんのっ」


亜季ちゃんが呆れ顔で笑う。


「あはは…」


あたしもつられて笑う。



本当だね。

あたし…ダメだ。


優子ちゃんが羨ましい…


ひー君を純粋に大好きな優子ちゃんが。


あたしもあんな風にひー君が大好きだったのに…


あの頃に気持ちを戻せたなら…




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