欲望チェリ-止まらない心






まるで時間が止まったようだった。









ひー君は項垂れたまま起き上がると、紅の手を引き上げた。




そしてそのまま


ひー君は紅に背を向けると舞台裏に戻ってきた。




ドク…ン





「あ…あの…ひーく…」





震えるあたしとすれ違うひー君。









だけどひー君は顔を下げたまま


一度もあたしを見ることはなかった。













< 374 / 488 >

この作品をシェア

pagetop