欲望チェリ-止まらない心
―――その時





「三咲~昨日はホンットごめんね~?」





お弁当を持った萌菜ちゃんが手を合わせて謝ってきた。


「三咲…怒ってる?」


萌菜ちゃんはそのままあたしの机に、空いた席をひっつけて座る。


「え…?あ、ううん!」


あたしはどぎまぎしながら答える。


「ほんと~?三咲が怒ってると思うと、話しかけられなかったんだぁ……」


萌菜ちゃんはそう言うとシュンとした。


え…?

それってあたしと一緒…


萌菜ちゃんも気まずかったんだ


そう思うと、あたしは少し元気を取り戻した。


「そんなことないよ!あたしこそ…いきなり帰ってごめんね?」


あたしの態度に萌菜ちゃんも安心したように笑った。



良かった。


こんな風にちゃんと仲直りできて…


あたしは心底、ホッとした。


さっきまでは萌菜ちゃん達が自分をどう思っているのか…


不安で仕方なかった。


昨日のカラオケでの居心地の悪さが、頭の中を支配して…。


どんどん被害妄想が膨らんでいただけなのかもしれない。


せっかく親友になれたんだ。


昨日は嫌なムードになってしまったけど…


これからも仲良く出来るよね?




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