欲望チェリ-止まらない心
「まさか……紅に興味がある?」



ふいに、ひー君がそんなことを言った。



「え?!そんな訳ないじゃんッ!」


つい強く否定して声が大きくなるあたし。


そんなあたしにひー君は少し驚いてから笑う。


「良かった。三咲が紅に惚れなくて」


「あ…あり得ないよ、それだけは…!あんな怖い人…」


ついうっかり本音がこぼれて、あたしは慌て口をふさぐ。


「はは。紅の魅力はストレートな所だからね」


ひー君はもう一度笑う。



「それに……俺の親友だから」









駅のホームに電車が入ってきてひー君はさりげなくあたしの手を後ろに引いた。


風があたし達の前をすり抜ける。


電車はそのまま通り過ぎていった。





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