あの頃の想い

私は思い切ってその扉を開けた。
そこにいたのはスーツを着た二十代前半くらいの男の人。
少し驚いた顔。
少し間が抜けてて思わず吹き出した。

「この学校の生徒さん?」

「うん。三年四組矢野美咲。」

私は簡潔に自己紹介をした。

「俺は今年からこの学校に来た、一年生の社会科を担当している藤田清雅。よろしくね、矢野さん」

そう言いながら近づいて右手を差し出された。
私はその右手に自分の右手を重ね合わした。

固くて分厚い手は昔を思い出さした。あいつも初めて会ったとき右手を差し出してきた………
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