I LOVE YOUが聴きたくて
歩いていると、魅麗のお店が見えた。

綾は、修に尋ねる。

「ねぇ、笠原くん」

「修でいいよ」

「あぁ、…」

修に促され、綾は、呼んでみることにした。
初めてのことで、緊張しながらも、名前を呼ぶ。

「…、修」

「何?」

修、すんなりと返事をした。

「マッシュルームっていうお店、あそこにあるの」

綾は、そう言って、丘の上を指さした。

修は、見上げる。

丘の上に、きのこ型のお店が可愛らしく佇む。

「へぇーあんな所に」

「うん。……寄る?」

綾は、修の顔を見ながら伺った。

「うん」

修は、すぐにあっさりと言った。

「どこから上がるの?」

「向こうに階段がある」

「よしっ行こう」

「うん」

綾と修は、歩みを進め、階段に辿り着く。
そして、階段を上がっていった。



~ カラン カラン ~

綾は、お店のドアを開けた。

「わぁー!」

店内の装飾や沢山に埋めつくされた花ばなを見て、綾は、声をあげた。

「卒業おめでとう!」

魅麗は、花束を手に、綾を出迎えた。

「わぁー魅麗さん、ありがとう!」

綾は、感激した。

「あら?こんにちわ」

修に気づいて、魅麗は微笑んで会釈をした。
「こんにちわ」

修は、すぐに会釈をする。

魅麗は、綾に、悪戯っぽく笑顔をする。

「今日は彼と?」

「えぇ~?」

綾は、恥ずかしくてごまかす。

「入って、どうぞどうぞ」

魅麗は、喜んで満面の笑顔で二人を迎えた。
< 114 / 200 >

この作品をシェア

pagetop