I LOVE YOUが聴きたくて
学校を出ると、学校から真っ直ぐに延びる、一本の大通りがある。
メイン大通り。

「ここから近いんだよ」
綾は、大通りを歩きながら、泉に言った。
「へぇー。でも、近いのに、全く知らなかったんだけど。建ててるのも気付かなかったし。毎日通る道だもん。建設中とかあったら、気付くじゃん。何で気付かなかったんだろう」
泉は、不思議そうに考えながら言っている。

「うーん、その理由はね、……、行ったらわかるよ」
「行ったらわかる?」
「そう!」
「へぇー。なんだか、ワクワクしてきたなぁ~」
泉は、お店を探すように、見渡しながら歩いていた。


大通りを歩いていると、左右、道沿いに、いろんなお店が並んでいる。左右に曲がる脇道もある。
泉は、あれでもないこれでもないと言いながら、お店を探していた。
「泉!あれだよ!」

綾は、そこから見える高台を指さして言った。
「え?…、わぁーあんな所に!可愛い!」
泉は、高台を見上げてびっくりして言った。

登り坂の下の方から見たので、丘の高い場所にあるように見える。
見上げると、きのこの型の魅麗のお店は、可愛いらしく、一際目立っていた。
泉は、増々、ワクワクしてきた様子だ。
「早く行こう!」
「うん」
「あっでも、あんな所、どうやって行くの?」
「ちゃんと階段があるんだよ」
「そっか」
「うん」
「じゃあ行こう!この道を進んだ所に階段がある?」
道は、カーブになっている。
「うん。あるよ」

泉は、まだ見ぬ、新しいお店に、ワクワク楽しみにしながら、目を輝かせていた。
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