君の声
新着メール1件 古刈雄志

あたしは一瞬の期待を、ちょっとだけ後悔した。
真斗がメールくれるわけないじゃん。
あの頃もそんなにだったのに、今になってなんて…よくよく考えれば有り得ない事。

「件名:古刈です( ̄∀ ̄)
今なにしてるん~??」

至って普通のメールだった。
それでもあたしは、そんなメール文を何度も読み返しては、名前を見てため息を漏らしていた。
真斗は今頃、川崎さんとラブラブメールを交わしてご機嫌がいい事だろう…
そんな事を考えてばかりいると、ダメになるのは分かってる。でもつい考えてしまう…

古刈は、あたしなんかにメールして何をしようとしてるんだろう...
また、真斗の事言われるのは嫌だな……
あたし絶対泣くもん。
あたしは泣き虫だよ…
あれ、これ前にも誰かに言われたっけ…

フッ…と頭をかすったのは、やっぱり真斗の顔だった。

やっぱりあたしには…真斗を忘れる事なんて出来ないんだ。

そう思うと、自分が情けなくて、もうどうしようもなく、真斗に会いたくなって、でも会えなくて…

結局あたしは、古刈へ返信する事はなく、そのまま眠ってしまった。

翌朝目覚めると、じとっとした体を起こし、外は曇天の空に覆われて、雨が降っていた。

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