ただ、しあわせ
ただ、しあわせ
「愛海(あみ)、何してるんだ?」


「ん?雨やまないなって思って」


「そうだな。ほら、冷えるからこっちにおいで」


恭介がベッドの背もたれに寄りかかりながら、私を呼ぶ。


ベッドに乗り、恭介の膝の上に頭を置いた。


「好きだな、膝枕」


「うん」


そっと私の体にタオルケットをかけてくれて、頭をなでてくれる。


この時間が、私はとても好きだ。


「どこか出かけようか?」


「雨だからイヤ」


「じゃあ、今日は一日ゆっくりするか」


「うん」


何もない日曜日の朝。


時計の針は、午前9時を示していた。
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