4月1日

悠久

「女っ!?」
数十分後、驚愕の事実に目を見開く私がいた。
「ああ。私は女だが?」
目の前にはひょうひょうとしている夕夏さん。そう、夕夏さんは女だった。
「え、だって、胸がn・・むぐ」
しぃーっ、と私の口を押さえながら千華が言った。聞こえたらまずいらしい。
「大丈夫だからなー。うん、慣れてるから」
そういう割には凹んでいるように見えた。
それと同じくらい私も凹んでいた。ああ、せっかくとてつもないイケメンを見つけたと思ったのに。しかし、言われてみれば女の人に見えなくもなかった。
「くっそー」
「あはは、私も初めて会った時は、なにこのイケメン!だと思ってたし、知った時はがっかりもしたから」
千華が言った。
「隊長ー、凹んでないでさっさと真海に説明してやれよー」
隣にいた友亮が言った。ん?ああ、そうだなー、と言って、女の夕夏さんは私に向き直った。
「お前は今日から私が担当する戦闘部第4班に属してもらう。私は隊長でさっきも言った通り、『女』の夕夏という。隊長になった以上、甘くは見ないからなー」
女、を強調した夕夏『隊長』は、微妙に抜けた挨拶をした。
このとき、私は国領防衛部署戦闘部第4班の一員となった。
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